10年ほど前に離婚をした直後、キャバクラで働きました。
正味1年ほどでしたでしょうか。
当時25歳、子供もなし。
勘当に近い形で実家を飛び出して結婚していたため、実家に戻ることもできず、元旦那と暮らしていたマンションは旦那のものとなったために住まう家もなく、たまたま求人広告で見つけた時給の良いスナックの面接に行ったらキャバクラでした。
一人暮らしをするお金もほとんどなく、高時給に惹かれてやむなく始めたお仕事でしたが、元々夜型生活でお酒も好きでしたし、人と話すことは嫌いではなかったので、開き直ってやり始めたら意外と楽しいお仕事でした。
アパートを借りるお金と当面の貯金を貯め、一年で目標額に達したのできっちり一年で辞めてしまいましたが、 居酒屋感覚の若い男の子に会社帰りのサラリーマン、自宅に居場所のない中年男性、癖が強すぎて女性とお話をするのが苦手な方・・・
それまでに出会う事のなかった種類の男性と知り合い、知らなかった世界を垣間見れたような、今思えばとても貴重な体験だったと思います。
もちろんおきまりの、手を出したりお酒の無理強いをする方、酔っ払って絡み大騒ぎをする方、はたまたストーカーじみてしまう方、困ったお客様もいらっしゃいましたが、ピンチの時はお店のマネージャーが間に入り、助けてくれるのでとても有難かったです。
女の子は商品ですからね。笑 私が勤務していた店は店員同士の恋愛は禁止で、違反すると罰金にプラス、どちらかがお店を辞めるという決まりがありましたが、そこはやっぱり人の性、マネージャーとくっついてしまうホステスさんが多かったのもうなづけます。
他店で働く女の子に聞いても、どこのお店も同じような感じでした。
ドレスを着て普段はできないようなメイクをしてもらったり、高いお酒を飲ませてもらったり、お客様に高額な贈り物をいただいたりと、女性としては嬉しい体験もできました。
また働いている女の子同士のトップ争いの熾烈なバトルも、はたから見ている分にはドラマを見ているようでとても面白かったです。
キャバクラ嬢はどうしても健康的な生活は望めませんし、軽々しくお勧めできる仕事でもありませんが、どの業種にしても光あれば影もあり、楽あれば苦あり、ということだと思います。
あれから10年経ち、再婚し子供もいる今、キャバクラで働いた一年間は私の人生の中の最も華やかな1ページです。