20歳の時に新宿をなんとなく歩いていたら
「お仕事興味ない?夜の仕事だけど。キャバだよ。気軽にできるよ話聞かない?」
と大きな街にはどこにでもある落ち着いて話ができる喫茶店に入ろうと言われ、その時の私は自暴自棄だったのでなんとなく付いていきました。
ヘアカラーに失敗して顔には合わない明るい髪型になっていたのですが、髪が明るいからなんか声かけたらいけそうということで声をかけたそうです。
「時給は3,000円。あんまりレベルが高くないしなんとなくやってみればいいじゃない。」
と言われ、私の顔はそんなに可愛いほうじゃないのですが、すぐ辞められるかなと思いなんとなくやることになりました。
キャバ嬢は自分を魅力的に見せるドレスを着るのですが、露出が多くて正直嫌でした。
メイクも夜のメイクというのがありすごく濃いというかケバいっていうのか・・・
化粧下手であんまり興味ない私は頑張ってフルメイクしても「何それ?やる気あんの?」とよく言われるくらい薄くてパッとしないものでした。
そんな私でもそのお店では働けました。
そのお店には可愛い子は一人も居ませんでした。
そんなお店だからお店にくるお客さんもまずお店に入ってからがっかりする反応が多かったです。
キャバ嬢はお客さんに営業というものをするのが仕事なのですが、私はそれが大の苦手でなかなかお客さんはつかず、お店から見るとやる気の無いキャバ嬢だと思われていました。
なので営業は全くしませんでした。
それなのに私を本指名で訪ねてくるお客さんが何人か居ました。
不思議なものです、週に2回通ってくれました。
営業もかけていないのに、と嬉しく思いつつもやはりこの仕事は合っていないんだなと思うようになりました。
ある日お客様と女の子が口論になっていました。
女の子は留学のためにキャバでお金を貯めている。
そのためにここで働いていると言っていて、お客様はこんな所で働かずに普通にバイトして貯めろよと怒って言っていました。
女の子は泣いていましたが、世間の反応ってこんなものだよなーとお客様に同調しながら冷めた目で見ている自分も居ました。
キャバ嬢は上手く立ち回らないと受け流せずに心や自尊心が深く傷つく場面も沢山あります。
なんとなく、でやっていていいのか、なんか夜に染まる自分が怖いし将来が不安になりキャバ嬢は辞めました。
それ以来昼の仕事しかしないし、夜の色を消すために意識してファッションも清楚でシンプルな物に変えました。
キャバ嬢や夜の仕事は給与が高い・・けど気づかずに失っていくものも多いと学びました。